大人のための文章法 和田秀樹
基本的な文章術や文章力アップのための訓練法と、
精神科医らしく、
自分を見つめることと文章を書くことの関係が述べられている。
たとえば、
いわゆるメタ認知力に長けている人が、読み手にとってもわかりやすい優れた文章を書くことができると考えられている。文章を書くときに、自分が読み手の正しい状態を想定しているかを絶えずモニタリングすれば、問題があるときにすぐに修正が可能になるからである。p76
や、
鬱状態であれば、同じ問いかけに対して悲観的な答えを出すのに、躁状態であれば楽観的な答えを出すのが人間なのだ。そのため人間が常に正しい判断を行うためには、自分の認知パターン、思考パターンを自己モニターする必要があるとされているのだ。p211
という部分。
文章を書くこと自体が、
自分自身をモニタリングする手段にもなるのだと思う。
それから他に参考になったところは、
まず、
和田氏自身が著作を量産できる秘密について触れたところ。
私が文章を量産できる一番のポイントは、頭の中の引き出しにたくさんのコンテンツがあるからだと自分では見ている。要するに、文章にするネタが豊富にあるということである。こうしたネタがないことには、そもそもが文章など書けるはずがない。それはいくら文才があったとしても同じである。p49
どんだけコンテンツがあるんだと思った。
次に、
書くネタを見つけるために大切なこと。
いずれにしても、文章として書くべきテーマは、問題意識を持って生活していないとなかなか見つけることができないものだ。その点からいえば、文章を書くのが苦手だと自覚している人は、どのような意識で毎日過ごしているか、自分の意識を見直すことから始める必要があるといえる。p53
見る人が見れば、
世の中は問題だらけなのだろうけど、
いつもどおりの何事もない、別にこれといって書き留めることもない日々、
に、感じられる人もいるわけだ。
最近の私は、
後者に近い気がしている。
最後にもう一つ、
書くネタをどのように見つけるかということについて書かれたところ。
日常的な体験の中にあるちょっとした「気づき」のようなものにだって、人に伝える価値のある知識はあるということだ。今の経営の話でいえば、実施に自分がどういう売り方をしてどういうものを売ったという話をそのまま書いても、それは営業の仕方を模索している人には価値のある立派な知識として見えるのである。p185
重要なポイントはやはり、
問題意識を持って生きているかどうかということなのだろ。
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