毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる! 吉岡利貢
マラソンの練習をするのには、
単に長い距離を走ればよいわけでもないよ、
ということが書いてある本。
私個人としても、
長い距離を走るような練習は時間的にも体力的にもできないので、
参考になる部分が多かった。
ただ、「気晴らしに走るのが好き」、
というくらいならば、必要ない知識なのかもしれないが、
故障を防ぐために役に立つことも書いてあると思うので、
マラソンを目指さないランナーであっても、
読んでおいて損はないと思う。
本書より参考になったところ。
市民ランナーレベルでは、週64km、月間走行距離が240~250kmを越えると故障が増えるという報告があります。ベテラン市民ランナーの多くは、月間250kmより走っていますから、故障していない人を探すほうが難しいくらいです。
ところが、ランニングだけでなく、自転車を使ったクロストレーニングを取り入れることによって、故障が減るばかりでなく、走行距離を減らして効率的にマラソンなど長距離走のタイムを縮めることが可能なのです。p7
ランニングに必要な能力である、
最大酸素摂取量や無酸素性代謝閾値を上げるのには、
走る以外のトレーニングによっても可能なので、
自転車とかも練習に取り入れると良いというのはわかる。
ただ自転車は、
置いておく場所もとるし、
走るより多少面倒だなと思う。
エアロバイクなどを買ってみてもいいかな。
ランニングのパフォーマンスを決めるのは、①最大酸素摂取量、②無酸素性代謝閾値、③ランニングエコノミー―の3つです。この3つでマラソンのパフォーマンスのおよそ70%は説明できます。p34
用語については、
以下。
最大酸素摂取量
5~6分間しか持続できない最大努力下の運動時に摂取できる酸素量で、筋肉によるエネルギー生産能力を表す。
最大酸素摂取量 とは - コトバンク
無酸素性代謝閾値
軽い運動から運動の強さが徐々に増していくとき、有酸素運動から無酸素運動に切り替わる転換点となる運動強度のレベルのこと。
無酸素性代謝閾値とは - 健康用語 Weblio辞書
ランニングエコノミー
自動車の燃費性能に相当し、より少ないエネルギーで走れる能力(経済的という意味でランニング・エコノミーと呼ぶ)のことを指します。
楽しく走ってステップアップ講座 ランニング・エコノミーで走力アップ!
トレーニングをするときには、
この3つのうちのどの要素を鍛えているのかを意識すると、
トレーニング効率を高められると思う。
近年では最大酸素摂取量を越えるような短時間のダッシュを繰り返すようなトレーニングも、短・中距離走の選手に有効なのはもちろんのこと、マラソンのように長距離を走るランナーのトレーニングとしても有効であることがわかっています。p46
遅いペースで10km走るなら、速いペースで1km走り、それを5本、計5km走ったほうが走力の向上は起こりやすくなります。トータルに走った距離ではなく、「つらい」と思えるペース以上で走った距離が持久力(最大酸素摂取量や無酸素性代謝閾値)の向上をもたらすのです。p112
最近では、さらに進化した「スプリント・インターバル・トレーニング(SIT)」が、世界的に注目されています。SITとは、きわめて短時間の全力運動を、長めの休憩をはさんで行うものです。p115
走力を鍛えるには、
できるだけ速く走る必要がある。
しかし、
つらい練習はそうたくさんはできない。
続けるには、
工夫が必要なのだろうと思う。
時々、少しだけ全力に近い力で走ってみるのは、気持ちいいこともあるので、
ウィンドスプリント的にペースを上げて走ってみるのもいいかもしれない。
あと、
最後の一周とか、一キロくらいをビルドアップしてみたりとか、
コースに急な坂道を取り入れてみたり。
そういう工夫だな。
小出義雄監督の、
マラソンは毎日走っても完走できない―「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ (角川SSC新書)
マラソンの練習として、ビルドアップ走やインターバル走が推奨されていた。
↓
マラソンは毎日走っても完走できない 小出義雄 読んだ本のまとめ /ウェブリブログ
最後にフォームについて。
2種類のスキップがランニングのバネを鍛えます。「高く跳ぶスキップ」と「前へ速く進むスキップ」です。垂直方向に高く飛ぶスキップで上下運動のバネを鍛え、上下動を減らして前へ速く進むスキップでランニングへの推進力へつなげます。週2回それぞれ3~5本くらいでよいので、つなぎ練習に取り入れてみてください。p135
いま、正しいとされる着地は、前足部からです。足の母指球と小指球を結ぶラインから着地します。高い椅子に座ったときに力を抜いて足をぶらぶらさせると、つま先側が下がります。そのまままっすぐ足を下ろすと、ちょうど母指球と小指球を結ぶラインでの着地になります。これが自然なのです。p145
ランニングにおける正しいキックは、股関節の伸展動作で地面に斜め下方向の力を加えることです。膝が前に出たところから、強く股関節を伸展すると、足は地面につきます。その際に地面に伝わった力がランニングの推進力となるのです。p144
腕は、左右の足を交互に動かすことによって生まれた回転力(角運動)を相殺しさえすれば良いのです。p150
ラクに走るためには、前傾姿勢を意識することも大切です。p150
足の着地のさせ方などは、
この本、
↓
非常識マラソンメソッド 岩本能史 ソフトバンク新書 看護師父さんの仕事と生活の記録/ウェブリブログ
体幹の筋肉を使うことについては、
この本、
↓
体幹ランニング 金哲彦 講談社 看護師父さんの仕事と生活の記録/ウェブリブログ
と、同じことが書いてあるなと思いました。
最近はこのような考え方が、
主流になりつつありますね。
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